脳を究める。

感情、記憶、社会性、意識などの複雑な脳の機能は、無数の細胞が織りなす神経ネットワークの協調的なはたらきから生み出されます。私たちは、「くすり」と「光」、そしてさまざまな創意工夫を凝らした先進的な研究手法を用い、脳の発達と可塑性の理解、およびそれらの破綻として生じる発達障害の病態理解と新たな薬物治療の開発を目指して研究を進めています。

学習・社会性・感情の脳内機構に挑む。

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学習・社会性・感情の脳内機構の解明

生後の発達や経験・学習によって脳の機能が適応的に変化する「可塑性」は、脳がもつ最も本質的な特徴の一つです。われわれは、実世界環境やバーチャルリアリティ環境で行動するマウスの脳活動をイメージングすることで、学習や社会行動・他者に対する感情の変化を支える脳の可塑性メカニズムを明らかにする研究を進めています。

写真上:バーチャルリアリティ環境と組み合わせた二光子レーザー顕微鏡によりイメージングされたマウスの海馬CA1野の神経回路活動
写真下:ヘッドマウント顕微鏡によりイメージングされた社会行動中のマウスの島皮質の神経回路活動


代表論文:
Distinct mechanisms of over-representation of landmarks and rewards in the hippocampus
Sato M et al., Cell Rep, 32 (1), 107864, 2020

Encoding of social exploration by neural ensembles in the insular cortex
Miura I, Sato M et al., PLOS Biol., 18(9) e3000584, 2020

 

新規脳活動イメージング技術の開発

生きた個体における細胞の構造と機能を顕微鏡で直接「見て」理解するin vivoイメージングは、生命科学における極めて強力な研究手法です。

行動し学習する動物の脳の活動を、より再現性良く、より精緻に、より深くイメージングするための新しい技術の開発を行っています。

写真:行動中のマウスの脳活動を高速にイメージングするためのカスタム自作蛍光顕微鏡

代表論文:
Fast varifocal two-photon microendoscope for imaging neuronal activity in the deep brain

Sato M et al., Biomed. Opt. Express, 8(9), 4049-4060, 2017

Hippocampus-dependent goal localization by head-fixed mice in virtual reality
Sato M et al, eNeuro, 4 (3) e0369-16.2017, 2017
 

発達障害・自閉スペクトラム症の神経回路病態の解明

近年社会的な認知が高まっている自閉スペクトラム症(ASD)の背後には、学習や社会性に関わる脳内神経回路の異常が存在すると考えられます。

われわれはイメージングと機械学習・マシンビジョンを用いたマウスの表情解析や社会行動解析を組み合わせ、ASDの中核症状の背後にある神経回路病態を全脳や個々のニューロンのレベルで解明する研究を進めています。

写真上:広視野カルシウムイメージングのグラフ理論解析で可視化されるマウス大脳皮質の機能ネットワーク構造
写真下:頭部固定下で他のマウス個体と社会相互作用するマウスの表情解析


代表論文: Virtual reality-based real-time imaging reveals abnormal cortical dynamics during behavioral transitions in a mouse model of autism
Nakai N, Sato M et al., Cell Rep., 42 (4): 112258, 2023

北海道大学プレスリリース
VRシステムによる神経ネットワーク動態の可視化-行動するときの自閉症脳機能ネットワークは密?-


Social circuits and their dysfunction in autism spectrum disorder
Sato M et al., Mol. Psychiatry, doi: 10.1038/s41380-023-02201-0, 2023

 

ギャラリー

マウス線条体の二光子イメージング(Sato et al., Neurobiol Learn Mem, 2016)

GFPで標識された線条体のmedium spiny neuron 

マウス海馬CA1野の二光子イメージング(Sato et al., unpublished)

mCherryとG-CaMPで標識されたCA1錐体細胞群 

マウス用バーチャルリアリティ(Sato et al., eNeuro, 2017)

理化学研究所YouTubeチャンネルより

理化学研究所プレスリリース
マウスでバーチャル空間の認識メカニズムを解明
-海馬の活動と自閉症関連遺伝子Shank2がカギ- 

その他の動画を含むYouTubeチャンネルはこちら

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